限界のムコウ

台風19号が猛威を振るいました。日本のかなり広範囲で被害があり、亡くなられた方もいらっしゃいました。心からご冥福をお祈りいたします。
また、多くの方が被災し、復旧作業に従事されている方も含めて、お見舞い申しあげます。

そういう私も東京に住み、当初、関東地方に大きな被害が出るのではないかという予想でした。その時期、仙台出張が予定されていたために、台風より先に仙台へ向かいました。気持ちは、私だけ仙台に避難するような、東京には夫や甥、そして、それぞれ一人暮らしをしている息子たちも居るので、残していくような心境でした。実際、最初に上陸したのは関東地方で、メディアも関東地方の台風の様子を報道していましたので、荒川近く(しかも海抜が0.1メートルしかない場所)に住む息子と多摩川の近くに住む息子のことは、気が気ではなかったです。祈るしかないですね。彼らの職場も休みになり、食べ物など準備して、建物ごと水没しない限り、できることはやったと言っていました。夫と甥が住んでいる場所は、なんとか大丈夫そうだと、何度も電話で話しました。何しろ私は堅牢なホテルの上階に居るので、そこに居る限りは死ぬことはない。でも、仙台に午前中に到着し、午後1時過ぎに仙台市から最初の緊急速報のアラートが鳴った。その後も、20時過ぎ、23時過ぎ、夜中の24時少し前に合計4回のアラートが鳴り響いた。過ぎてみれば、宮城県や福島県も大きな被害があった。

翌日は、新幹線が動き出そうであろう時間に夫も仙台に向かう予定だったが、昼過ぎても運転再開の見通しは立っていないとのこと。万が一のために納品の宝石は、私が持参し、彼が来られない時の準備もしてたけど。それは仕事のことであって。

「自然ことだから、もちろん、来れない時は、仕方ないね。
でも、今夜はあなたの腕の中で眠れますように」

なんて、いつものように結婚33年目とは思えないスイートなメッセージを送って、個人セッションへ向かったのでした。

なんと予め取った新幹線が動き出し、座席指定もそのままに仙台に来れたそうです。すごいラッキー!おかげさまで、いつもの私の至福の眠りの時間が過ごせました。

こんなに仲がいいと、ケンカしたことがないんですか?と、よく聞かれますが、
ケンカしますよ。普段は呆れるほど仲良しですけど、ケンカもします。

仙台で、ステキな光景に遭遇しました。
女性が結婚する相手をお父さんに紹介する場面です。お相手は再婚らしく、彼自身の言葉で、そのことも誠意をもってお話ししていました。お父様は、彼に結婚するにあたって、大切な現実的なことを話していました。その話が聞こえてしまっているので、私も結婚生活を33年も続けているけど、そこ全然できてないよー、なんて自分に突っ込んだりしていました。生活のこと、経済的なこと、将来生まれてくるであろうこどものこと。お父さんの愛ですね。そして、お父さんはおっしゃいました。

「お母さんが反対しても、お父さんは賛成するよ。お父さんが賛成すれば、お母さんも大丈夫だから。」

全身でほっとしたように深々と頭を下げる彼。

「ありがとうございます!」

ここから話が和んで、お嬢さんも、彼女からみた彼のことをいろいろ話してくれます。そこでお父さん、

「ケンカはするのか?」と聞きました。

「うん、するよ」というお嬢さん。

「そうか。よかった。

私たち仲いいのでケンカしません、という人がいるけど、お父さんはそういうの信用しないんだ。

そうか、ケンカもするのか。」

もう私までジーン。。。。。

 

ケンカする必要のないほど、仲がいいカップルもいると思うけれど、お父さんのおっしゃっている意味をすごく共感します。

私たち夫婦も、普段は呆れるほど仲がいいけれど、個人として、家族として、変化するときに、ぶつかりあいます。変化、違いが生まれて、摩擦になる。さっきまでそれで摩擦にならなかったのに、変化によって、生まれる摩擦。そんなとき、距離を取れば、摩擦(痛み)を感じずにいられるけど、例え、痛みを感じたとしても、私は、大切なことに近づきたい。だから摩擦=ぶつかるのだけど、そこで、ケンカになるのだけど、個人として、成長させてもらえるような感覚があります。家族としても。

いつからか、そのケンカもYouTubeで中継したいくらい深い(笑)なんだかケンカしているのだけど、相手を褒めているナゾのケンカです。

その度に、この人はすごいなぁ、私は深く愛されているんだなぁ、私も深く愛しているんだなぁ、そして、自分自身のことも深く信じているんだなぁ、と気づきを新たにすることになります。結果として、ですけどね。

ああ、もうダメかもしれない。もうこれ以上無理。

その限界を見るということは、もうすで次のステージが用意されているんです。

絶望とか、限界を感じることは、もう次の世界が見えるところに来ているのです。絶望の、限界のムコウへ。何度も、何度でも。

絶望のムコウは、絶望ではない。

その先へ。

2 thoughts on “限界のムコウ

  1. 久美子先生、先日は、ありがとうございました。

    台風の中、仙台に来てくださって、ありがとうございました。
    無事で良かったです!

    「限界のムコウ」、本当にその通りだと思います。パートナーシップで、そこまでやり合った経験はありませんが、仕事では、ここ2年何度も限界を見て、絶望を感じました。
    「もうダメかもしれない。」と、何度も思いました。話を盛ってるわけではなく、よく生きてきたと思います。

    パートナーシップは、いいとこ取りばかりで、上手くいかなくなったら、逃げる…のがこれまでのパターンでしたが、逃げないでやり切ります。

    久美子先生、アキラ先生と全く同じには出来なくても、誠実に向き合っていきたいです。

    • クミッキーさん、こちらこそ、台風の大変な時にありがとうございました!
      久しぶりにお会いして、綺麗になられて成長を感じましたよ!
      いろんな経験を通じて、幾度も限界を超えてきたことも感じました。
      人間は完璧ではありません。自分が嫌になるようなことですら成長のプロセスです。これからもそれを大切に、ステキな人生を創造していってくださいね。とても楽しみです。

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